中部国立公園南部地域は

3,000m 級の山々が連なる「日本の屋根」の北アルプスの南部に位置しています。19 世紀後半にイギリス人宣教師がこの地域を「日本アルプス」として世界に紹介しました。

このエリアには、険しい岩山、森林、渓谷、高原と、多様でダイナミックな景観が見られ、希少な動植物との出会いがあります。また、登山、スキー、スノーシューなどのアクティビティを堪能することができます。山麓には露天風呂を巡ることができる温泉郷があり、温泉に浸かって山の恵みを味わい、夜は満天の星空を眺めて過ごす贅沢なステイが可能な地域です。

ロゴに使っている英語の「Birthplace of the Japanese Alps」という言葉には、この地域が、日本の登山文化の発祥の地であることを知っていただくとともに、日本アルプスの美しい自然を、住む人々と来訪者が分かち合える、という意味をこめています。

ロゴデザイン

三角形は、山岳と日本の伝統的な食べ物であるおにぎりを表しています。おにぎりは、日本では山へ向かう人たちの携行食として利用されています。また、山々と歴史の奥行きを、稜線の連なりの中に表現しています。そして、豊かな川の供給源でもあることを伝えています。

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急峻な山岳と生物多様性

槍・穂高連峰を中核とする急峻な山岳や、活火山である乗鞍岳・焼岳及びその山麓に広がる広大な高原を含む、我が国を代表する山岳地帯です。

山岳が急峻であるために、狭いエリアに大きな標高差と様々な地形が存在し、そこに変化に富んだ自然が形成されています。

風・川の流れ・火山活動等により刻々と変化する“生きた自然”があり、訪れるものを飽きさせません。

また、豊かな植物相とそれによる多様な動物の生息が確認されています。ツキノワグマやニホンカモシカなどの大型哺乳類のほか、ライチョウ、ホシガラスなどの鳥類、様々な高山蝶などが分布しています。そして、滝、清流、湖沼、樹氷など、多様な水資源も見ることができます。

こうした山岳がもたらす水、大地、空気などの恵みは、この地域での暮らしから、遠く都会にまで恩恵を与えています。

山岳と人との関わりの歴史

古くからの日本人の自然観で、山岳は信仰の対象であり、貴重な山の恵みを頂く場でした。

こうした自然観は、時代の変化の中で薄れつつありますが、神社や祭事、山での意識や行動の中には残っていて、魅力的な「和」の要素となっています。

日本人の自然観
  • 名もない草花など万物に神性を見出すこと
  • 限られた資源を有効に利用し破壊しつくさない(循環的)
  • 地震、風水の災禍が多く、畏敬・畏怖すべきものと捉える

19 世紀後半に宣教師ウォルター・ウェストンが訪れ、この地域を「日本アルプス」として世界に紹介しました。それがきっかけとなり、狩猟や信仰目的ではなく、登ること自体を目的とする登山が日本でも普及しました。

暮らしと自然の境界を味わう

散策や自然観察の拠点となり、登山前や登山後にも体を休める快適な滞在施設がこのエリアには集積しています。滞在施設には、ホテル、旅館、ペンション、ゲストハウス、キャンプ場、山小屋などいろいろな選択肢があり、郷土食などさまざまな食事を楽しめます。

険しい山岳に登頂しなくても、山の傾斜や四季折々の自然を活用したスポーツを楽しんだり、宿泊施設の傍らで星空観察をすることもできます。また、火山活動の恵みである温泉の数や泉質の種類も日本有数の豊富さを誇っています。

国立公園内に居住している人がいてコミュニティがあることも大きな特徴であり、その方たちが、生活しながら訪問者を受け入れています。暮らしの中で大切にされている地域資源を見たり体験することも可能です。